2012年8月28日火曜日

250【書感】タイトルは大事 「40歳から若くなる!名越式アンチエイジング」


では、質問です。書店の新刊本のコーナーにこんなタイトルの本が平積みになっています。

「40歳から若くなる!名越式アンチエイジング」

このタイトルを見て、手に取ってみたいと思う人、手を挙げて〜。
特に女性に聞いてみたい。この本、ちょっと気になると思った人は?



「40歳から」「アンチエイジング」、なんだか女性には気になる単語だ。
だが、この本は4年前に出た単行本の文庫化で、当初のタイトルは、

「オジサンって言うな!」

ええ〜〜〜!?
これじゃ、絶対、女性は手に取らない!
もの書き写真堂も素通りしていただろう。

著者は精神科医の名越康文さん(1960年生まれ)。文庫化に当たり加筆修正したといっても、内容は男性、それも中年(40代を中年と言えればの話だが)をターゲットにしているのは変わっていない。

たとえば、気分転換にいつもの道具を変えてみるというくだりでは、ひげ剃りの刃を替えるとか、トランクスをブリーフにするといった男子アイテムの話が出てくる。もっとも、ここのところは女子向けに読み替えることはできる。(何に読み替えるかは、各自想像するよーに。)

他にも朝顔(男子用便器ですな)の話、カーブを投げてみよう、奥さん任せにせず自分の通帳を持とう、などなど。子供の頃の冒険心を持って日本の先端まで旅行しよう、家電製品を見ているだけで元気が出てくる、目的を持たず道具を使ってみる(本書では遊ばれてみる、という表現だが)などもどちらかというと男子的発想だろう。そこにピンとくるもの書き写真堂はいったい・・・。

だが、新しいタイトル「40歳から若くなる!」なら、その歳に近づいている女性は気にして手に取るだろう。ひげ剃りとブリーフは中盤に出てくる。そこに至るまでのページでは男女共通で使える技が披露されているので、そこでグッときたら女子でもレジに向かうだろう。思うに、タイトルを変えての文庫化は出版社の勝利ではなかろうか?


そんな中年男性向けの本だが、グッときたところがいくつもあるので列挙してみる。

  1. 太ももに力をいれてアンチエイジング
  2. 足は第二の心臓。靴選びはしっかり
  3. 毎日に飽きてきたら、普段使いの道具を変えてリフレッシュ
  4. 悩みは頭の外に書き出そう
  5. プレッシャーに勝つためにお腹を意識しよう
  6. 自分を動物に例えたら?と友人に聞いてみる

お気づきだろうが、この本で言うアンチエイジングとは「○○を食べてお肌すべすべ、ほうれい線も消える」とか「こんなエクササイズを続ければ若者のように筋肉もりもり」という類いのものではない。

「まえがき」にあるとおり、この本はすでに日常のルーチン、24時間のライフスタイルがすでに決まっている人が無理なくできる、ちょっとしたことが書かれている。心と体を少しだけ動かすことで(ずらすと言い換えてもいいかも)、いつもと違った日常を送り、そこから精神的・肉体的にも若々しく生きようというスタンスなのだ。

だから、がんばって3週間続けて習慣化という苦労を伴うものもないし、この本のどこの章から始めてもいいし、全部やらなくていもいい。それこそグッときたところだけつまみ食いしてもいいのだ。
こんなあばうとな内容の本は、まさにもの書き写真堂向けの本!(笑)
店頭でぱらぱらと見て2,3カ所グッときたら、買って損はないと思う。


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