2013年3月16日土曜日

420 コクヨイベントに行ってきた2 文具王「もう一回考える、デジタル化するって?」

2013年3月9日に行われたコクヨイベント前回のごりゅごさんに引き続き、今回は文具王の「もう一回はじめから考えよう。デジタル化するってどういうことよ。」と題したトークをざっくりまとめてみた。


最近よく聞く「デジアナ文具」という言葉。文具王は、CamiAppなどを見ているとこの言い方は若干違うという。「アナログからデジタルに変換するのだから、本来ならアナデジ文具。データの流れる向きが違う」というのだ。

そんな前振りから入った文具王だが、アナログ(特に紙もの)しか扱わないのであれば、デジタルにこだわる必要はないのではないかと言う。
「デジタル化したものをすべて使うわけではないと言うと断捨離の人に『じゃあ、捨てちゃえばいいじゃない』と言われるんだけど、たしかにスキャンして取り込んだもののほとんどは使わない」


だが、まったく使わないとは言えない。(上記の表)
このグラフの右側のロングテールになった部分はロングテールの理論によると、情報として取り出すコストを下げれば利用価値が高くなる。つまり、放っておくと使わないであろうデータを利用するには、コストの極小化に尽きるということ。
(筆者注:文具王の言うコストとは、お金という意味だけでなく労力なども含まれているようだ。)

これまでは、取り出すコスト、つまり出力側がボトルネック(取り出しにくい)だったが、iPadが出てきたことでようやく解決に向かっている。
だが、出力だけでなく、「入力→保管→出力」のいずれの矢印の部分も太くしないと、うまくコストの極小化とはならない。

また、デジタル化というのは、やり始めるのが大変。つまり入力コストが高い。電源を入れてスキャンを開始するという最初の部分は、10枚でも100枚でも手間は同じということ。だが、スマホの登場で入力コストのやり始めの部分は下がった。そして枚数が多くなればScanSnapに任せることで入力コストが下がる。

保管については、量が少ないのであればデジタルより紙のほうが保管コストは低いが、あるレベルになると明らかにデジタルが勝る。

出力、つまり取り出しコストについても、紙の量が少なければデジタルよりコストは低い。だが、デジタルは適切な方法をとればデータ量に関わらず平均的なコストになる。さらにタブレットの登場でコストが全体的に下方修正された。

以上から、3つを合わせた総合的なコストを比べてみると、紙の量が少なければデジタルより紙に軍配が上がる。(冒頭写真参照)
ただ、下方修正されたグラフとそれまでのグラフの間にある「紙で保存したほうがいい」と思っている人々が、タブレットなどを使う事によってデジタルにしたほうがコストが安くなるということに気づくかどうかが、デジタル化への鍵となる。

写真がなかったため、iPadアプリ「Paper」で手書きしました(汗)

では、デジタル化したデータはどこに保管するか?
文具王はとりあえずEvernoteだという。クラウドサービスはいろいろあるが、たくさん使えば総容量は増えるが、分散させるとどこに入れたか分からなくなるので集約すべきという。

「Evernoteがなぜいいかというと、何でも受け入れてくれる器の大きさ」

手書きメモもCamiAppを使えば、ダイレクトにEvernoteに入れることができる。こうして集約することで、先に述べたマイロングテールが死蔵から活用になる。紙ものを死蔵させたくなければデジタル化をする。これはストレス低減のためにも必須だという。(紙モノならばどこにしまったか分からなくなり探すのに一苦労となるが、Evernoteなら検索が楽。)

「すぐ使うものをスキャンしてデジタル化するのは当たり前。『使うかも?』というものもデジタル化しておけば、ロングテールが動き出すかもしれない。だからEvernoteに入れておこう」

デジタル化するに当たって文具王が良く使うのが、ScanSnapと「保存するメモ帳」だ。これは普通のA4用紙を8つに折ってメモ帳にはさんで使う。このときのポイントは色つきの紙を使う事。こうすればEvernoteのサムネイルも色つきになり、ぱっと見ただけでわかるという。


さらに、折った面に1から8のナンバリングをすること(書いた順番を記録)と、下の方に英文字を入れることが上手くスキャンするコツだ。
英文字を入れるのはScanSnapに縦横認識させるため。日本語だと縦横認識をしてくれないことがあるので、8つ折りにしたそれぞれのフッター部分に英文字(なんでも良い)を入れておくのがいいそうだ。



ScanSnapは、本の自炊でなければ S1100 が便利だという。バスパワーなのでケーブル1本でパソコンとつないでスキャンできるし、ハブをかませても使えるので複数のUSBガジェットをつなぐ必要があっても大丈夫とのこと。
これであれば持ち運びも楽なので、出張先などでデジタル化ができる。帰宅してからスキャンする面倒から解放される。
「入力コストを減らす意味でも便利です」

さて、文具王は書籍をどうしているのだろうか?
当日は「自炊派」と書かれたTシャツを着ていた文具王だが、「好きで自炊してるんじゃねぇ!」とスライドに大文字で出すほど強調したいのだという。


電子書籍にしたものはEvernoteには保存せず、PDFにしてiPadで読んでいる文具王。
「せっかく買った本だから、ずっと読みたい。電子書籍で売っているならそれに越したことはない。だが、本は大事なものだから『電子書籍サービスやめました』で読めなくなったら残念だし、大変」
だから用心のために自炊しているのだという。

「これまではScanSnapでPCに取り込んでからiPadに保存して読んでいた。これがすごく面倒だったが、新しい機種iX500が出てからはダイレクトにiPadに入れられる。そのあとでDropboxに保存という流れになったのでとても楽になった」

iX500は動作がとても速いので、朝10分ほどの余裕があれば、本を1冊自炊してiPadに入れて持ち出せるという。



最後に文具王が「思うこと」として、
「デジタルガジェットとそれらを使ったハックがたくさんあるが、コストの極小化をどうするかを意識して、どれを使うかを考えてみるといいのではないか」
などと締めくくった。

イラスト作成に使用したアプリはこちらです。

Paper by FiftyThree App

カテゴリ: 仕事効率化
価格: 無料

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