2014年8月11日月曜日

0893 「ありのままの自分」を取り戻す時に読む2冊

自分が嫌いである。「自分が大好き」と言う人に懐疑的になる。自己否定をする。
そんな自分を認識したとき、とても直球なタイトルの本に出合いました。

「自分を嫌うな」(加藤諦三:著)


それを読んでいくうちに、ずいぶん前に読んだ本の内容がシンクロしました。

「ずっとやりたかったことを、やりなさい」(ジュリア・キャメロン:著)


一見、無関係に思えたのですが、気になって読み返してみたところ、この2冊の合わせ技で自分を嫌うことをやめ、ありのままの自分を取り戻して無理せず生きていくヒントを見つけることができました。

読む順番ですが、まず「自分を嫌うな」を先に読み、自分を嫌いになったいきさつを理解します。
著者は、自分を嫌う原因は「ありのままの自分が愛されなかったこと」と言います。
それは親に愛する能力がなかったか、あるいは近しい人を嘲笑することで心の葛藤を解決するタイプの人間(親、親類など)に囲まれていたことが原因とありました。

「幼少の頃、親に失望された人は自分自身に失望する」ともあり、自分を嫌っている人は自分に失望しているとも言い換えることができます。
ちょっと失敗したときに親から聞こえよがしのため息とともに失望の言葉や罵声を浴びたりしたら、こどもは萎縮して何をするにも「一度で成功しよう。失敗は許されない」と緊張し続けます。
ここから完璧主義になったり、人生の目標をやたら高く設定したり、他人の顔色を見ながらいい人を演じたりします。そうやって自分をないがしろにした結果、そんな自分が嫌になるわけです。

では、失敗しても大丈夫と認識し、自分を大事にすれば、ありのままの自分を取り戻して自分を好きになるのでしょうか?
そもそも「ありのままの自分」ってなんでしょうか?
幼いときからこれまで自己を否定して受け入れてこなかった人間には「ありのまま」の状態がどんなものか全く分からないと思います。

もし親や身近な人から否定されなかったら、抑圧されなかったら何を考え、どう振る舞っていただろうか?
「ありのままの自分」とは、自分が自分のために楽しいと思う事をする、他人の目、他人の評価を気にせずやりたいことをやる、そういう状態でいられることなんじゃなかろうかと思うのです。

「自分が本当に好きなものはなんだろうか?」と自問して、すぐ答えが出てきますか?
例えば「サッカーが好き」と答えたとします。でも、それは親、恋人、配偶者が好きなものであって、「好きな人の趣味だから」とつきあっているだけではないでしょうか?本当は野球が好きなんじゃないでしょうか?
いままで好きだと思っていたことについても、「本当にそうなのか?」と問い直してみる。そういうことも必要です。

あるいは「こんなことをしたらおかしくなったと他人から思われるんじゃないか」「こんなことが好きと言ったら嫌われるんじゃないか」という思い込みを捨てて、本当は好きなんだけど我慢してきたことや、人の目を気にしなければやってみたいことを考えてみるのも手です。お金がかかるとか、近くに施設がないとかそういう障壁を取り外して追求してみてください。そうすることで「ありのままの自分」に迫ることができますし、なにより考えていること自体が楽しいです。

「そんなの、すぐにはわかんないよ!」という人は、「ずっとやりたかったことを、やりなさい」を読んでみてください。
これまで自分が否定してきたこと、あるいは他人から否定されてきたことから自分が本当にやりたかったことを思い出して創造性を回復させるプロセスを12週にわたって行うものですが、これはなにもアーティストになるための教則本ではありません。むしろ冒頭の親や身近な人に虐げられ抑圧されてきた「ありのままの自分」を回復させる、取り戻すプログラムでもあります。

「自分を嫌うな」の読後にこの本を改めて読むと、創造性の回復も自分を好きになることも、プロセスは共通していると感じます。それはいずれも「ありのままの自分をまず受け入れる、いい面も嫌な面もひっくるめて全部受け入れる」という点が共通しているためじゃないかと思います。

「自分を嫌うな」でありのままの自分を失った原因や経緯を探り、「ずっとやりたかったことを、やりなさい」で取り戻す。
つながりのなさそうな2冊ですが、「ありのままの自分」というキーワードでそれぞれの内容が結びつくことで理解度が深まり、「ありのままの自分」を取り戻す助けになると思います。
もしかしたら、自分を好きになれるだけじゃなく、思わぬ芸術性も開花するかもしれません。

過去に「ずっとやりたかったことを、やりなさい」のエクササイズを行ったのですが、その結果は「以前よりはるかに人生が楽しいと感じられるようになったこと、本当に好きなことをやっているという実感が得られた」ことでしょうか。
今回「自分を嫌うな」を読んだ後に再読し、ざっと各週のエクササイズをまたやってみました。創造性の回復もありましたが、なにより自分の本質に迫ることができたと思います。

まだ「自分が大好き!」と声を大にして叫ぶまでには至っていませんが、ふと思ったのは、「ありのままの自分を取り戻す」というのは「自分への信頼を回復する」作業でもあるんじゃないかということでした。

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