2015年10月19日月曜日

1183 本屋で探検45〜「北海道民のオキテ」「もっと!北海道民のオキテ」(さとうまさ&もえ、たいらさおり:著)

「不定期に本屋さんに行き、知らない作家の本を少なくとも1冊は買う」というルールに則って紹介する第45回目。
今回は、珍しくコミックです。さとうまさ&もえ・原作、たいらさおり・漫画の「北海道民のオキテ」、それと続編の「もっと!北海道民のオキテ」です。

私は道産子ですが笑えました。書店でチラ読みして何度も吹いたためあわてて購入しました。
よく見る「○○県あるある」のジャンルですが、生活シーンに応じ、加えて「グルメのオキテ」「日常のオキテ」「冬のオキテ」「方言のオキテ」などに分類された、北海道の特色が色濃く出た、いや、ダダ漏れした本です。
マンガなのでシチュエーション(使用例)がわかりやすく、道産子妻と道外出身夫(福島出身)とのギャップが笑いを誘います。

それにしても、この道産子妻・もえさんは道産子の私からみてもかなり天然、明るい性格のようです。
もえさんは留萌の人ということで若干他の地域との違いはありましたが、おおよそ北海道民とはこんな感じです、というのが理解できると思います。

なかでも方言の解説が秀逸でした。自然に日常で使っているので、いざ説明するとなると難しいんですね。
特に「〜ささる」というのが何と説明してよいやら。しかし、この本(1冊目P86)にしっかり書かれていたので助かりました。

なんとなく否定形で使うことが多いのかも。「押ささんない」「書かさんない」(押ささらない、書かさらない、と言う事も)などなど。
否定形は、自分のせいじゃなくできないことを意味します。

肯定形は「笑わさる」「言わさる」「走らさる」「食べらさる」などなど。自発性ではなく非意図性。やるつもりじゃなかったけどやっちゃった、という意味です。

この「〜ささる」は昔使われていた日本語で、北海道の方言だけに残ったんだそうです。なんでここだけに残ったんでしょうね。
それにしても、「笑わさる」にしても「笑う」と打ってから「う」を消して、「わさる」って打たないとならん!変換しささらない!

さて、個人的に刺さったのは、
  • ほかほかご飯をバターとしょうゆで味付けして食べる。(子供のころは好物でしたが、今はくどくて食べられません。)(1作目P12)
  • ジンギスカンといえば味付け、ラム!(松尾ジンギスカンもいいけど、やっぱり長沼の「かねひろ」が一番好きです。でも、タレは絶対ベル食品っしょ。)(1作目P19)
  • 冬の気温にマイナスは付けない。(ちなみに私のいた地方は確か氷点下30度以下で学校が1時間遅れ、35度以下で2時間遅れで始業でした。NHKの道北ローカル局で毎朝放送していたので、それを見て一喜一憂していた。)((1作目P44、P68)
  • 寒がり。(同上)
  • 年配のおじさんたちが名乗るときに「斉藤でした〜」と過去形。(1作目P89)
  • 親戚からの電話で「旭川でした〜」と、名前じゃなく住んでいる地名を言う。(2作目P54)

目からウロコだったのが、
  • 平地でつまずく理由がわかった!(1作目P92)
  • ゴミステーション、てんを切る、げっぱ、よっこする、ぎる(ぎっぱる)、ほろう、ねっぱる、ドンパ、角食(←変換しなかった!かくしょく、と読みます)が北海道弁だった!
  • 「サガリ」って北海道だけ?(1作目P85)
  • スキー授業、スキー遠足は北海道限定っぽいのはわかるけど、炊事遠足も!?(1作目P67)
  • 道民は天気がいいとき外出しようとする。(そうだったのかっ!)(2作目P46)
  • 地下鉄の床に書いてある案内の文字がでかい。(たぶん大通駅だと思うんですが、そんなにでかいですか?)(2作目P114)

ちなみに大晦日におせちを食べる(1作目P70 )のは「年取り」と言って、北海道以外でも行う地域はあるそうですよ。

また、昔はよく冬の寒さで車のバッテリーが上がったので、通勤で車を使うお父さんたちは帰宅するとバッテリーを外して家の中に入れていました。(って、道北だけ?)
今はさすがにそんなことはないですけど。

それと14支庁がなくなって、9つの総合振興局、5つの振興局になったこと、それに伴い網走支庁がオホーツク総合振興局になったんですけど、支庁の呼び名のほうが短くて好きなんですけどね。

他には、私の個人的志向では以下のようになります。
  • 道産子だからといってジャガイモはあまり食べない。(あのざらざら食感が苦手〜。いももちは例外)
  • 道民だからといって「親子丼=シャケといくら」ではない。(いくらが嫌い〜〜。)

ちなみに、数の子、ウニもダメです。ですので、回らない寿司屋で私の横に座る人は喜びます。

以上、ざっと挙げましたが、他にも「北海道のソウルフード」の解説などもありますので(かなりローカル)変わった北海道みやげになるかも!?

彼氏/彼女、配偶者が道産子という内地の人は必読の書です。
また、道産子も内地の人に解説本として必携の書!強くオススメします。

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