2012年2月28日火曜日

133 ライフハックは「人生を変える小さな習慣」〜堀正岳さんの講演

堀さん、シルエットになってしまった・・・

2012年2月19日(日)、東京ライフハック研究会Vol.8が開催された。
そこで、堀正岳(@mehori)さんが「人生を変える小さな習慣」と題して講演を行ったので、その内容をまとめてみた。

■「ライフハックやめます」宣言!?
まず、冒頭で堀さんが「ライフハックをやめます!」と宣言。どういうことだ?という疑問を抱きつつ次の言葉を待つと、
「ライフハックというのは、アメリカのあるエンジニアが時間を稼ぐために小さな工夫を重ねていたことが始まり。それが日本に入ってきた当初から”ライフハック=仕事術”だったのだが、アメリカには”ライフハック=仕事術”という概念はないんです」

つまり、仕事術としてのライフハックはやめるけど、人生を変える小さな習慣を紹介し続けますよ、ということなのだ。冒頭からちょっとびっくり。

その日本での”ライフハック=仕事術”だが、「生産性を上げるための○つの方法」「人に好かれるための○○の方法」「Evernoteを使いこなすためのたったひとつの方法」など、ライフハックが大喜利になっていると指摘。

「ここに来ている皆さんは十分に生産性が高いのです。なぜなら、わざわざ日曜の昼にこんなところに集まっているのだから。『生産性を上げるためにスキルを身につけよう』というのは皆さんを歯車にするため、交換可能な歯車にするための罠なんです」

スキルを身につけて頑張ろう、でも頑張りすぎて病気になり倒れる、倒れたら若い者と交換される、という図式の罠。
「国・会社が幸せにしてくれる神話は終わりました。でも、状況が悪くなっているから私はチャンスだと思う。”普通”であることから1歩外に出ている人に、とてつもないアドバンテージがある時代になります」

そこで目指すべきものは2つ。
  • Indispensable(交換できない、欠かせない)人間になる
  • Happyな人間になる


交換できない人間なら、今の会社で切られたとしても他でやっていけるし、発言したとしてもみんながちゃんと聞いてくれる。このふたつをクリアすれば、5年後、10年後も生きていける。

■毎日やることを少し変えてみる
  • Patience
  • Passion

この2つも大事。

Patienceというのがライフハック。「たったひとつの○○」で人生はすぐさま変わらない。小さな習慣の積み重ねが人生を変える。
そのためには、毎日やっていることを変えるしかない。

まずやることは「睡眠のログを取る」。活動的ではない時間帯というのが境界として都合のいい時間帯なのだという。自分がいつどれだけの睡眠を取っているか、あるいは必要としているかを把握するのが最初。
次に、毎日やっていること(ルーチン)のログを取る。そうすると、例えばブログを書く時間はどれくらい必要か、あるいは何分確保できるかというのがわかる。

ちなみに堀さんは110分で2本のブログ記事を書くのだが、今はその時間が取れず、せいぜい1本だとか。
さらに堀さんがブログを始めるに当たり、「このための時間は小手先のハックでは生み出せない」と解っていたので、テレビを観ない、ゲーム禁止(今はある人にそそのかされて?1本だけやっているそうだが)とした。

「どんなに素晴らしいライフハックでも、自分に適用できなかったら身につける価値はない。毎日、自分に適用可能なものだけ残すべき」

■「ありがとう」を毎日言い続ける
例えば堀さんは、Gmailのフィルタを300個作った。この話をすると「じゃあ、私も今週末に200個作りますよ!」という人がいるそうだが、堀さんの300のフィルタは、毎日少しずつ作り続けて5年で300個になったという「結果」なのだ。これが「毎日やること、毎日適用可能なもの」に価値があるということの証明だろう。

堀さんは他にも毎日やっていることがある。それは「ありがとうの数を数えること」。毎日いくつの「ありがとう」を言ったかをカウントしているそうだ。
そこで解ったのが、すごく嫌いな人や敵対している人でも、毎日「ありがとう」を言い続けていると自分に対する態度が好意的に変化するということ。

「だいたい500回くらいありがとうと言えば必ず変わる。毎日付き合わねばならない人ならば、敵対したって仕方がない。それに500回言えば変わるってわかってるから、ありがとうと言い続ける。私は敵対している人を変えるのが大好き」

「ありがとう」の数を数えなくとも、毎日欠かさず「ありがとう」を言い続ける。これなら誰でも始められるのではないだろうか?

■「ビジネス書を読め」も罠?
「ビジネス書を読まないといけない」というのも歯車にするための罠だと堀さんは言う。

「みんなと同じ本を読んでいると言うことは、みんなと同じ知識しかないということ。いくら気づきがあるといっても、これでは付加価値は生まれない」

そこで付加価値を付けるために、みんなが100冊読むところを120冊にする。そのためには速読や読書セミナーへGo。だが、これも完全な罠だと堀さんは指摘する。

「そういうことをするくらいなら『老子』を読む」

今はそのための時間が取れなくて1日2ページしか読めないのだそうだ。それでも他の人が読んでいない本だから十分にアドバンテージになる。

「こうやって、毎日やることを少し変にする。時間の使い方、読むもの、ブログを書くというだけでも変。これがすべてアドバンテージになる。ちなみに、みなさんがこの会場にいるだけですでにヘンですから」

■無償のギフトを与え続ける=Passion
「自分は交換可能な人間ではないということを毎日意識できるような、小さな習慣をぜひ作って欲しい」

ここからPassionの話になるが、小さな習慣だけでは「特別な存在である」ということを意識出来ない人には、何かギフトを与えることがいちばんの近道だという。
セス・ゴディンの「Linchpin」(「邦訳も出ているが、ぜひ原文で読んで」と堀さん)という本は、まさにIndispensableであるかどうかを問う本で、ここにはIndispensableになるには何かギフトを与える人=アーティストになれと書いてある。

ここで言うギフトとは、単に物を与えるということではない。
堀さんの挙げた例では、諍いが起きるといつも仲裁に入る人。その人が異動でいなくなって初めて「あの人がいたから、争い事が丸く収まっていたんだ」と思われる人。諍いを収めるということが、その人が与えていたギフトなのだという。

無償のギフトを与え続けて、とんでもないところに行った人が海外にいる。
  • 1週間に1曲を無料で(まれに1ドルの時も)約1年間52曲をサイトにアップし続けた人。
  • ワインビデオブログで平日は毎日1本、ワインの紹介をしていた人。

それぞれ本業で大成功を収めた。

無償のギフトを与えている人間というのは、最悪でも無視される程度。与え続けていると必ず何かが戻ってくるのだそうだ。

では、そんな人が日本にもいるのか。堀さんは、いしたにまさきさんとコグレマサトさんを挙げた。なぜ無償で情報提供をするのかと彼らにたずねたときの答えが、「有料でやっても誰も見ないから。無料は当たり前」。

「こういうヘンな人にアドバンテージがある時代。それはネットがあるからこそ出来ることで、それによって人がつながることが出来る」

こういうと「自分と彼らは違うから(できない)」という人が出てくるが、堀さんは「どんな人でも無償のギフトは与えられる」と答えるそうだ。

例えば、「感じのいい店員がいたからその店で買う」といったときの店員さん。また、堀さんの職場の話として、いつも笑顔で「おはようございます!」とあいさつする警備員。「この人はたとえ人員整理になったときでも切られずに残る人」。いずれも感じの良さ、笑顔が無償のギフトなのだ。

もちろん、先に挙げた「ありがとう」もギフト。そして、与え続けることで「自分はギフトを与え続けているから、ここにいていいんだ」と自分に自信が付くのだそうだ。

■情報弱者と情報強者?
情報というのはピラミッド状にあるのではなく、それぞれの人が信じているクラスタが並び、そのクラスタが少しずつ重なり合って存在している。つまり、みんな正しいのだ。情弱もなにもないと堀さん。

「後からやってきて、誰かが一度書いたネタを2番目に書いたから情弱だというのではない。2番目であっても、その場でコンテンツを出した人が勝ち。出さなかった人は『何もしなかった』というだけ」

「『自分の好き』を発信することが大事。何度目に書かれたネタでも構わない、古くても構わない、他の人と違う意見でもいい。そうやって発信していると、どこかのクラスタの人に伝染する。そこに直結すればいい。
先に挙げたようなすごい人でなくても、届けたいクラスタを見つけられればwin。才能の有無ではない。つながることができる先があれば、届けたい言葉がある先が見つかればwin。そして、必ずつながる先はある。それを見つけるためには、ギフトを与え続けること」

■おわりに
以上、passionというのは、ギフトを与える人になれるか、アーティストになれるか、という話だったが、具体的にどんな行動を積み上げればいいのか、どんなギフトを与えればいいのか、いつから始めるのか?

「『スキルをあげてから』ではなく、『今日から』やる。明日死ぬかもしれないのだから。人生3万日なんて嘘。そんなに人生はないのだから、今日からやる。みなさんそれぞれに合ったギフトを考えてみてほしい。
みんなの「好き」が世界を埋め尽くすことを期待して、講演を終わりにしたい」


【講演を聞き終えて】
いちばん印象に残ったこと、グッと来たことは、
  • 500回ありがとうを言い続けると人は変わると解っていること。
  • ギフトを与える人になることが、歯車ではない、交換できない人間になるということ。

このふたつに尽きる。

堀さんの話を聞き終えてから、さっそく自分が与えられるギフトは何かを考えてみた。堀さんの数にはかなわないが、数年前から自分も積極的に「ありがとう」を言うようにしていると気づいたが、これがギフトだとは思わなかった。「ありがとう」の他にもギフトを与えられる人間になれるよう、精進していきたいと思った。

堀さん、ありがとうございました。

2012年2月22日水曜日

132 文具王のトークショーに行ってきた


2012年2月18日、19日の両日、札幌にある老舗大型文房具店「大丸藤井セントラル」(札幌市中央区南1条西3丁目)にて開催された、文具王こと高畑正幸さんのトークショーに行ってきた。(写真撮影禁止のため、画像はAmazonなどから引用。その他はサイトなどへのリンクになっている)

■「つかみ」は自社製品PR?
まずは文具王、自己紹介を脇に置き、自社(サンスター文具株式会社)製品の宣伝。「これをやらないと『他社の製品ばかり取り上げている』と会社から怒られるので」、以下の2つの製品を紹介。

  • かどまるPro…角を丸くするカッター。3,5,8ミリの径で角を丸くしてくれる。ラミネートも切れる。
  • スティッキール ステープラー…3月発売のスティック型のステープラー。本体尾部にクリップや替え芯を入れるスペースがある。姉妹品にはさみが出ている。



次に文具王の自己紹介であるが、もう著名なのでここでは割愛。

会場では、文具王の自宅写真が紹介された。壁一面のプラケース、それも天井まで届くほどの高さの写真には、会場からなんとも言えぬ反応の声が。その引き出しの中身はちゃんと分類され、ペンに至っては台紙に1本ずつしっかり固定されている様子が映し出されると、笑いが広がった。
「なぜこんなに集めているかというと、ペンを比較する場合、いくらメーカーのサイトに写真があるといっても、現物を見ないと細部まではわからない。単なるコレクターではない」そうだ。

■難易度が高かった?お題
さて、今回のトークショーは、主催者から「なつかしの文房具」というお題が出された。
文具王は、このお題をもらってからトークショー前日まで3~4週間悩んだそうだ。
「なつかしいと言っても、人それぞれ。じゃあ、みんなにとっての『なつかしい』は何か?それは年齢層にもよるだろうし、現に会場にはいろんな年齢層の方が集まっている。一般的になつかしいというのは難しい」
そう思った文具王は、「しょうがないので、自分の『なつかしい』を話そう」と決断、自分にとっての「なつかしい」は小学生、中学生、上限は高校生くらいまでと範囲を絞る。

その頃、80年代後半から90年代初めにかけて「BTOOL(ビーツール)マガジン」という文房具専門雑誌が発売されていた。同級生が漫画雑誌を買う中、この文房具専門誌を定期購読する中学生だったそう。

その「BTOOL(ビーツール)マガジン」に読者の投稿コーナーがあり、そこの常連さんだった「とみやまさん」という人が、文具王の「心の師匠」。
とみやまさんは投稿で、オリジナルのイラストと文章で文房具を紹介していた。その絵のクオリティが高くて感動した文具王は、「すばらしき道具たち」という連載を始めた。
「要するにパクリから始めた。今風に言えば、インスパイアーされた」

だが、始めた当初はネットなどの無い時代で発表の場がなかったため、ただ書きためていただけで、時々生徒会の会報の空きスペースに載せてもらう程度だった。大学生になってからは、冊子にしては文房具メーカーなどに配っていたが、メーカーにとっては当たり前のことしか書いていないので「ふ~ん」程度の扱い。
でも、毎年しつこくやってると、相手にしてくれるメーカーも出てきて、「ホームページやって公開したら?」とか「TVチャンピオンに出てみない?」と声をかけられるようになり、さらに出演したTVチャンピオンで一緒になったサンスター文具の部長さんと知り合い、同社に入社、現在に至る。

ちなみに、文具王は人物やストーリーを書けないので、こういうイラスト+解説ものを書いていたのだそうだ。
「10年も続けていると、絵もうまくなる」と解ったとか。

教訓(by もの書き写真堂):人間、ひとつのことをコツコツ続けていると、おのずと道は開ける・・・かも?

■文具王の「なつかしの文房具」
さて、文具王にとって「なつかしい」と思える文房具とは?
会場では、以下の4つを紹介してくれた。

小さな文房具がケースにコンパクトにまとまったセット。今はミドリという会社が同様のものを発売している。

今でもおなじみのテプラだが、最初はダイヤルを回して文字を選択していた。
文具王はクリスマスプレゼントとして買ってもらい、替えテープを一気に2本も使ったそうだ。

・バンダイ「ポケットザウルス」
はさみなどの文具が恐竜の形をしている。変形させて使う。

・サンスター「文九郎」
9個の文具を収納しているロボット。
これは欲しくてしょうがなかったが、高かったので買ってもらえなかったそう。そんな子どもは大人になってからどうするか?「会社に入って、2代目文九郎を作ってしまうのです」。マジで作ったようだ。

■なつかしのCM
なつかしの文房具のCMといえば、社員でなくてもはずせないということで、サンスターの「アーム筆入」。あの「象が踏んでも壊れない」というやつだ。文具王は会社のアーカイブからこっそりコピってきたムービーを会場で披露。子どもの服が昭和だったのが印象的だった(←当たり前)。

この筆入れ、今で言うと警察の機動隊が使っている透明の盾にも使われているポリカーボネード製。これは丈夫なはずだ。
だが、当時の国会議員から「誇大広告じゃないのか?」と言われ、国会に呼ばれたことがあったそうだ。サンスターの社員が居並ぶ議員ひとりひとりに筆入れと金づちを渡し、「壊れるまで叩いてください」とお願いした。もちろん、誰もひびを入れることすらできなかったそうだ。
なお、この商品は今でも「NEWアーム筆入」として発売中だ。



■温故知新?
最近の文房具に「針なしステープラー(ホチキス)」というのがある。数種のメーカーから販売されているが、どこが発明したのか?





実は、大正11年に、東京文祥堂というところが発行した文房具カタログにすでに載っているのだ。
当時は「無針紙綴器」と言っていたが、仕組みは現在のものと全く同じ。びっくり。
ただし、2~3枚しか綴じられなかったようだ。(現在のものは5~12枚)
針を使ったホチキスもあったが、当時は針が高価だったので、針なしのほうがメジャーだった。

■懐かしい?ヘン?
古いものと新しいものが入れ替わる端境期には、それらの折衷案のようなものが現れては一瞬で消えていく。

例えば、そろばんと電卓。そろばんが主流であるところに徐々に電卓が浸透していく。そろばん派の人がそろばんを使いながら電卓の使い方も覚えていく、という用途かどうか不明だが、シャープから横型の小型電卓とそろばんが一体となった製品が出ていた。

特殊用途に限られた電卓「分卓」というのもあった。時間と分を計算するための電卓で、形がカセットテープというところが、この分卓の使用目的を表しているのだそうだ。
当時、自分の好きな楽曲だけを集めてカセットテープに入れる「マイ・アルバム」が流行。楽曲の分数を足してカセットテープの時間内に収まるかどうかを計算するときに、この分卓が使われた。

今ならExcelが時間の足し算引き算をしてくれるけど、ちょっとした残業時間の計算なんかには、この分卓、まだ使えるんじゃないだろうか。

■ホビーとして「なつかしの文房具」を楽しむ
最後に文具王は、「なつかしの文房具」の楽しみ方を提案。
たとえば自宅の押し入れの奧から出てきた昔の文房具や、骨董市で売られている(珍品、高額ではない)古い文房具などを入手し、それぞれ当時の様子を思い出したり、想像したり、あるいは由来を調べてみるなどといった「ホビー」としての文房具を楽しんでみては、とのこと。


   ↑
文具王おすすめの本。今でも手に入る「なつかしの文房具」を探すときの参考に。

以上、約1時間にわたる文具王のトークショー。写真撮影禁止だったので、文章だけになってしまった。

トークショー終了後、文具王を囲んでの懇談会状態になり、そこで本番にかぶり損ねた王冠をかぶっての写真撮影会になったり、愛用のバッグ(近日発売するらしい)や「文具王手帳」、ペン、そしてモレスキンを見せてくれた。
(以下、iPhone4Sで撮影)
王様姿、決まってます。
この王冠、友達がプレゼントしてくれたもので、TVチャンピオンでは盾すらくれなかったとか。


文具王は、モレスキンも愛用。これは、使ってみたペンを見開き2ページで解説したもの。イラストではなく、写真を貼っている。
このエピソードについては、寄稿させてもらっている「Notebookers.jp」というサイトで、「文具王のモレスキン」というタイトルで書かせてもらったので、そちらも読んでいただけるとありがたし。


文具王愛用のペンケース「コクヨ クリッツ」。数えたら22本入ってた。これ、いいかも。



2012年2月16日木曜日

131 シンプルすぎるClearというアプリを使ってみた

ちまたで評判よさげなiPhoneアプリがあったので、さくっとダウンロードしてみた。



Todoリストアプリだ。
UIがちょっと変わっていて、これはもう触ってもらうか、紹介ムービーを見てもらったほうが早い。
なかでも、堀正岳@mehoriさんのサイトにあるムービーがわかりやすいのでオススメ。

堀さんも書いているが、ホントに機能がない。Todoリスト以外にない。アラーム機能も、繰り返しもない。終わったリストはどこにあるんだろうか?タスクを右にスワイプで終了、左にスワイプで削除と区別しているところをみると、右スワイプで終了したタスクの一覧があってもよさげだが、見つけられない。まだ1日しか触っていないので、もう少し探してみよう。

それでも、操作感は気持ちがいい。ピンチアウトで新しいタスクが付け加えられたり、ピンチインでリストに戻ったり(ひとつ上の階層に戻る)、プルダウンやプルアップでメニュー、リスト、タスク一覧の画面に移ることができる。

カラーも5種類から選べ、自分はやっぱりHeat Mapのオレンジグラデーションにした。

とにかく「シンプルも、ここまで極まれり」というようなアプリなので、当面の使い方としては「買い物リスト」かな?
店ごとにリストを作成しておいて、日々気づいた「買うもの」を記入していく。だいたい週末にまとめ買いをするので、これは便利かも。

というのも、「あっ、あれ買わないと」と思った時にメモる場所がばらばらで、買い忘れを引き起こしているからだ。それ以前に、家にメモを忘れて外出し、記憶を頼りに買い物をするということを何度もやっている。iPhoneなら、忘れて外出することがほぼないので安心だ。

買い物当日は、このリストを見ながら店内を巡り、かごに商品を入れたら右スワイプで消していく。タスクがなくなったら買い物終了。買い忘れも無し。

とりあえずこんな使い方しか浮かばなかったんだけど、この方法でしばらく使ってみようかなと思う。

2012年2月11日土曜日

130 「人生3万日」と「明日できることを今日やるな」というトリック

夜明け前。「今日」が始まるような、この時間帯が好きだ。

2012年1月の初め、堀正岳(@mehori)さんのサイトで、「「人生3万日」だと思ってはいけない」という記事を読み、深く考えさせられた。
そこには、堀さんのお義姉さんが、わずか2ヶ月ほどの闘病の末亡くなったことに対する思いが綴られている。
平均寿命の82歳から導き出される3万日という数字に一喜一憂する人々に対し、堀さんはかぶりを振るという。
義姉の人生はその半分ほどにしか達していませんでした。人生3万日などという数字は、どこにも存在しない嘘なのです。それは「平均値」という算術処理の結果うまれる虚像で、私とあなたを足して二で割ることができないのと同じくらい、ミスリーディングな数字といえます。
これは、あまりにも早い死を迎えた肉親をもつ人であれば、共通する思いではないだろうか。ただ、その思いもうっかりしていると時とともに風化してしまうということを、この記事で思い知らされた。

自分も若いときに肉親の死に直面したほか、自分自身も健康診断で「ガンかも。それも末期」と言われて愕然とし、残された日数を数えて絶望の淵に立たされ、一日一日の大切さを痛感したという体験がある。幸い、末期でもガンでもなく良性腫瘍だったのだが、それから生き方が変わった。まず他人を優先することをやめ、今自分がやりたいことをやろうと思った。

こんな体験がなくとも、朝玄関を出て外に出たとたん致命的な事故に遭遇する可能性は、誰にでも同じくらいあると思う。人はそういうことを意識せず、いつもと同じ日常が繰り返されると確信している。もちろん自分も、自戒を込めてこれを書いている。それくらい当たり前に「今日」という日が連続し、それが3万日あると無意識に確信しているのだ。

人生には、残り3万日にやってくる「明日」などないのです。人生は常に「今日」しかありません。「今日」を最大限生きてください。「今日」を無駄にしないでください。「今日」を感謝してください。「今日」がいつかこなくなる、その日まで。そのことを、今私は義姉の人生からあらためて学んでいます。

この叫びにも聞こえるような文章を、喉の奥にこみ上げてくるものを飲み込みながら読んだ。
だが、自分には「今日」という区切りも長すぎるのだ。
それは以前のエントリでも書いたが、耳の持病があり、いつ何時めまいで倒れるかわからないということから起因する。普通に歩いていて突然、めまいに倒れて動けなくなる。こういう体験を繰り返していると、「今日」ではなく、「今この瞬間」が大事に思えてくるのだ。



「マニャーナの法則」という本がある。サブタイトルに「明日できることを今日やるな」という文言がある。
この本自体はとても興味深く読んだ。特に各章にあるテストとアンサーという部分が秀逸だと思う。
だが、自分がどうしても相容れなかったのが、この「明日できることを今日やるな」だった。

耳の持病のため、前の晩までは元気だったのに、目が覚めたら起き上がれないくらいのめまいに襲われ、仕事を休まざるを得ないという経験を何度かしていると、「これ、明日でもいいかな?」ということができなくなる。「明日のために、今日やっておこう」と、明日への保険をかけるわけだ。

この本で言わんとしているのは、「今日優先すべきことがあるのに、明日できることをわざわざ今日に持ってきてやるな。さもないと、仕事がいつまでたっても終わらないぞ」という意味なのではないかと思う。それが「明日できることを今日やるな」という表現になったのだと。
だが、これは健康な人だからできることだと思う。いつ爆発するか本人もわからない、時限爆弾のような持病を持っている人には少々辛い言葉だ。
もちろん、そんな自分でも、明日のためにムリして今日の中に詰め込むことはしない。「今日のタスクに余裕があったら」という前提である。でないと、かえって持病が爆発する。

「人生3万日」に戻る。
こういう体験を通して、自分も堀さんと同様、伝えたい。「今日」を、できれば「今この瞬間」を大事に生きて欲しい、と。過去を悔やんでいる時間も、未来を思い悩む暇すら惜しいのだ。「今」を楽しんでいこう、と。

2012年2月2日木曜日

129 一枚の写真が素敵な笑顔の似顔絵になった

Twitterで紹介されていたサイトで、アイコン用に似顔絵を描いてもらったというエントリを発見。 
そのサイトの中の人の素顔は存じ上げないが、とてもふんわりとした絵柄に「いいなぁ」と思った。 
すると、そこに似顔絵を申し込んだ先のサイト案内がっ。

「え?誰でも申し込めるの!?」 

と、その似顔絵サイトにお邪魔した。 


作者は、ふじもなお(@LHnao)さんという方。 
漫画家さんが描く似顔絵がなんと2000円! 
マジですか!?というお値段。これなら一般人でも気軽に申し込めるではないか。 

以前にTwitterでリツイされた漫画をみたことがあり、自分の好みの絵柄だったので、これは!と速攻で申し込んだ。
思い立ったが吉日。グッと来たらGO!

申し込みには、ぼけてない(顔がはっきりわかる)写真を1枚送る。それを元に「笑顔の」似顔絵ができる。 (1MB程度の大きさ、バストアップがベター) 
受付などを担当しているだんな様のふじもった(@fujimotta)さんによると、ふじもなおさんは、どんなにかしこまった写真でも笑顔のイラストが描けてしまうのだそう。
さすが、というかすごいイラスト力。写真1枚から、お会いしたことがない人の笑顔が想像できるって素敵な才能だと思う。うらやましい。 

サイトにある作例(だんな様だ!)によると、ポップとシンプル(ちょっとリアル)の2種類あり、いずれかを選択。両方描いてもらうならば、料金は2000円×2=4000円。 
リアルに近いのはこっぱずかしいので、自分はポップにした。 

写真を送る際に注意する点は、先に挙げた鮮明さ・画像サイズの他に、写真に写っている服装、髪型がそのままイラストになる、ということ。 
フォーマルな場で使用するならスーツ姿で、Twitterなどのアイコンなどで使うならカジュアルな服装でもいいかもしれない。 
自分はカジュアルスタイルで行った。 

で、描いていただいたのが、これ。 

いや、もう、かわいすぎるにょ~~~。 
リアルの知り合いから「詐欺だ!」と言われそう。 

それにしても、こんな素敵なサービスがあるなんて、Twitterで流れて来なかったら知らないまんまだった。 こういう出合いに感謝。

アイコンをかわいい似顔絵にしたいけど自分じゃ描けないとお悩みの方、ちょっと検討してみてはどうだろうか? 
送った写真が、きっと素敵な笑顔の似顔絵になって戻ってくるから。