2012年5月6日日曜日

157 「空目」が「空耳」に対する造語じゃないってホント!?〜ほかにもあった「空○○」



Twitterで「空目が空耳に対する造語じゃない」というツイートがあって、一瞬凍った。
えっ?そうなのかっ!?
引用されているサイトに飛んだら、ネタフルさんの2009年の記事でした。そんな前から話題になってたのかぁ・・・。













もの書き写真堂もハナっから造語だと思って調べていなかったが、辞書を引いたら確かに載っていた。岩波国語辞典第7版。




この辞書によると、もともと「空」には接頭語として以下の意味があるそうだ。

  • はっきりした根拠もなく(例:空恐ろしい)
  • しても効果がない(例:空だのみ)
  • 偽りの。見せかけだけの(例:空ごと,空泣き)
  • 真実の関係がない(例:他人の空似、空耳)

「空」と同じページには、ざっとこんな単語が並んでいる。


  • 空合い(そらあい):空の様子。天候。
  • 空嘯く(そらうそぶく):天を仰いでうそぶく。何気ないふりをする。そらとぼける。
  • 空恐ろしい(そらおそろしい):理由ははっきりわからないが、怖くて不安だ。
  • 空言/空事(そらごと):うそ。いつわりごと。
  • 空頼み(そらだのみ):当てにならないのに頼みにすること。
  • 空手(そらで):老人などが腕になんとなく感ずる痛み。「からて」と読むと別の意味。
  • 空解け(そらどけ):帯やひもなどが,自然にゆるんで解けること。
  • 空惚ける(そらとぼける):知っているのに知らないふりを装う。
  • 空泣き(そらなき):うそ泣き(古風)。
  • 空涙(そらなみだ):悲しくもないのに悲しそうに見せかけて流す涙。
  • 空寝(そらね):たぬき寝入り。
  • 空音(そらね):うそのことば。
  • 空念仏(そらねんぶつ):仏を信ずる心もなく、ただ口先だけで唱える念仏。
  • 空恥ずかしい(そらはずかしい):なんということもなく、恥ずかしい。うら恥ずかしい。
  • 空返事(そらへんじ):相手の言葉を身を入れて聞かず、いい加減な態度でする返事。なまへんじ。
  • 空豆(そらまめ):まめ科の一年生または越年生の植物。茎が物に巻き付かず、さやが空を向いてつく。
  • 空耳(そらみみ):声や音がしないのに、聞こえたような気がすること。聞いても聞かないふりをすること。
  • 空目(そらめ):見えないのに、見えたような気がすること。見ても見えないふりをすること。うわめをつかうこと。
  • 空夢(そらゆめ):見もしないのに、見たようにこしらえて語る夢。夢に見ても実際にそうならなかったとき、その夢を言う言葉。対は正夢。
  • 空喜び(そらよろこび):喜ぶかいのないことを喜ぶこと。ぬかよろこび。
  • 空笑い(そらわらい):おかしくもないのに、作り笑いをすること。

教訓:何気ない言葉、当たり前に使っている言葉も、時々辞書を引いてみるべし

ちなみに、紙の辞書のほうがこのように周辺の単語まで目を通す事ができるので、あえて電子辞書ではなくアナログ辞書を使っている。結構おもしろいもんですぞ。


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