2016年2月11日木曜日

1221 老猫と腎臓病(腎不全)7 獣医さんとのQ&A

我が家のお騒がせ猫(上の写真左)が腎不全と診断されてから、獣医さんにいろいろ質問してきました。気が動転していてとんちんかんな質問もあったと思うのですが、親身になって答えていただきました。
そんな質問もあわせて、まとめてみようと思います。これまでのエントリに書いたことと重複する部分がありましたらご容赦。


Q1:人間の腎不全の場合、合併症にかなり気をつけるように言われるようだけど、猫もそうなのか?猫の場合も糖尿病や高血圧か?猫の高血圧ってどうやって調べるの?

A1:猫も合併症は気にするが、別の病気を併発しても猫の場合はそちらの薬を投与することで腎臓に影響が出ることもあるので、その他の病気も血液検査でチェックするが、まずは腎不全の進行を遅らせる治療に専念する。
 なお、猫の高血圧を調べるには麻酔を使ったうえで機器で血圧を測る。

Q2:我が猫の場合、以前に甲状腺機能亢進症と言われたが、その可能性と腎不全と平行しての治療はできないのか?

A2:甲状腺機能亢進症は別の血液検査を必要とする。現在のところその症状は出ていないのでそちらの検査は不要と思われる。また、先に述べたように、亢進症であったとしても治療薬は腎臓に影響を与えるので、腎不全の治療を優先する。

Q3:初回のエコー検査で片方の腎臓が肥大していると言われたが、今後どうなるのか?

A3:おそらく今後は縮小していくと思われる。

Q4:昨年11月の尿検査では尿タンパクは出ていないと言われたが、今後は尿検査の必要はあるか?

A4:定期的に血液検査をしているので不要。

Q5:以前の診察で「腎臓が悪くなるとタンパク尿になるのでそれを抑える水薬がある」と言われたが、今回処方されたのがそれか?これにより病気の進行を遅らせることができるのか?

A5:今回処方した経口薬「セミントラ」がそれに当たる。尿タンパクの排出を抑えることを目的とした薬であり、結果的に病気の進行を遅らせることにはなるがそれが主目的ではない。

Q6:人間の場合、なるべく腎臓に負担をかけないようにするが、腎臓が悪い猫に水を飲ませて、あるいは点滴して腎臓に負担がかからないか?脱水症状がなくても皮下点滴は必要か?通常で3の機能しか残ってないなら3倍の水を与えて合計で9出せばいいということだが、腎臓を働かせすぎにならないか?

A6:人間の場合は負担をかけさせないようにするが、猫の場合は逆に皮下点滴により水分をたくさん与えて尿を出させることにより尿毒症を防ぐ必要がある。皮下点滴により腎不全の指標であるクレアチニンの数値が改善することが多数報告されており、この方法が現在、「セミントラ」と合わせて猫の腎不全のいちばんの対処療法となっている。

Q71ヶ月くらいで急にがりがりにやせた感がある。1ヶ月前くらいから食が細くなった。これも腎不全の影響だったのか?

A7:腎不全の影響と思われる。腎不全によりタンパクが通常より排出されることにより、筋肉などの組織が作られなくなったり、排出されなくなった毒素のせいで気持ちが悪くなって嘔吐を繰り返すことで食欲がなくなるせいだと思われる。

Q8:総合栄養食のカリカリや療法食のカリカリを食べなくなったが、一般食のねこ缶はまだ食べる。この食事の偏りはどうしたらいいか?

A8:食べないことにはどんどん痩せていって治療どころではなくなるので、まずは一般食であっても食べられるものは食べさせて。ただ高齢なので「○のスプーン」だとか「○○プチ」というのは避けて、高齢猫用やインドアキャット用などを選んで。腎臓病用の療法食も多数出ているのでいろいろ試してみて。

Q9:食欲がなくなるというのは、腎臓病により胃腸が弱っているということはないか?

A9:腎臓病で胃腸が弱るということはない。A7で回答したとおり、毒素で気持ち悪くなったことで食欲が落ちたせいだと思われる。

Q10:点滴で毎日200mlから250mlを入れていると、12時間後(注:病院からはだいたい12時間〜14時間くらいで体内に吸収されると言われていた)どころか翌朝まで足の付け根付近に小袋状に残っていることがある。250mlを目安に皮下点滴を続けて問題ないか?

A10:翌朝に多少残っても問題ないが、そのような時は1日休む、あるいは150mlくらいにするなど調節してもいい。

Q11:そもそも皮下点滴は朝とか午前中など、早い時間がいいのか?

A11:特に時間の制約はない。仕事の都合で夜しかできない飼い主さんもいる。

Q12:点滴の針を刺す時に変なところに刺すんじゃないかといった不安や、針を抜いたときに血が出たり、しばらくじわじわとしみ出すのだが大丈夫か?

A12:医師の指導のとおりに処置すればほぼ問題ない。肩甲骨付近に刺せば痛みもあまり感じないはずだし、太い血管があるわけではないので変なところに刺さる心配はないし、筋肉に刺さることもめったにない。翼状針ならそれほど神経質にならなくても大丈夫。なお、我々でも出血することがまれにある。
液がしみ出すのはおそらく翼状針が短いせいで浅く入ったせいではないか。液が下に下がれば止まるはずなので心配ない。

Q13:輸液を浸透させるために塩分を含んでいるから猫が直接なめたら腎臓に悪いと書いてあったサイトをみかけたが、問題無いか?

Q13:体に入れているものなので、猫が多少なめても問題ない。

Q14:痩せてきた猫のために「ロイヤルカナン ベッツプランエイジングケアプラス ステージ2プラス」という痩せた老猫用のカリカリを与えているのだが、肝心の猫が食べず割と元気な猫が食べてしまう。この元気な猫が食べ過ぎで糖尿病になるということはないか?

A14:食べる量にもよるが、老猫用のごはんなのでその心配はないと思われる。

現在のところ以上になります。今後もなにかありましたら、付け加えていきたいと思います。

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